私は仕事で報告書やレポートを作成する機会が多いのですが、資料作成は主にパワーポイントを使用します。(本当はIllustlatorを使えればいいのですが、、)
例えば投資銀行や戦略コンサルファームであれば資料作成スキルはマストのイメージですが、会計事務所であれば意外とパワーポイントを使用する機会もなかったりします。
資料作成のスキルを体系的に学べる場は意外と少なく、基本的には実務で覚えていくものだと思います。しかし、特に過去の経験や他のサンプルがなければ、どのように資料を”みせる”のか悩むことも少なくありません。
今回は、資料作成のうち、特に“一枚ものの表のみせかた”について、私が考えるたった3つのコツを共有したいと思います。
表をきれに仕上げよう
コツその①~カラーリングを工夫しよう~
一枚ものの表を作成する際、カラーリング次第でその表の見易さ、印象は大きく変わります。私はカラーリングについて、以下のポイントに気を付けています。
- 使う色は2系統4色まで
- 濃淡で強弱を表現する
具体例でみてみましょう。下の表は、以前の記事で作成した表をシンプルにしたものです。
まだカラーリングをしていない状態だと、この表で何が伝えたいのか、さっぱり分からないですよね。
この表で説明したいことは、「脱税」「租税回避」「節税」の違いですので、まずはこのタイトル部分をカラーリングをしてみます。
これにより、少なくともこの表が「脱税」「租税回避」「節税」の違いを説明していることは理解できそうです。
しかし、この状態では「合法?違法?」「言葉のイメージ」の列の内容がはっきりみえてきません。そこで、左のタイトルもカラーリングします。
すると、この表が「脱税」「租税回避」「節税」と「合法?違法?」「言葉のイメージ」の関係性を説明した表ということが分かりますね。
再度ポイントをおさらいします。
- 使う色は2系統4色まで
- 濃淡で強弱を表現する
一つ目のポイントに関して、この表は非常にシンプルなものなので、1系統2色で事足りていますが、ここで言いたいことは、あまりに多くの色を使いすぎないということです。経験のない方が陥りやすいのが、「色を使いすぎて逆に見づらくなる」という現象です。例えば「赤」や「黄色」などの原色が入り乱れている表は目がチカチカして見づらいですよね?
色はできるだけシンプルに、簡単な表であれば、多くても2系統4色までの使用にとどめるべきです。
なお、この場合の「系統」とは「藍色」と「青」や「赤」と「オレンジ」など、同種の色を指します。つまり、4色といっても自由な4色を使うのではなく、大きく2種類の中で4色に絞りましょう。
二つ目のポイントに関して、最も強調したい個所を濃く、次に強調したい個所を薄くカラーリングするのがポイントです。また強調したいポイントの種類が同じであれば、同系統の色の濃淡で強弱を表現しましょう。
この具体例では、上段の3つのキーワードがあり、その3つのキーワードの左列2つの違いについて述べているので、上段を濃く、左列を薄く着色しています。
これは表の性質によって変わりますが、このような比較表を作るときは、上段を濃く、左列を薄くすることで、見やすい表になると思います。
さらに、濃くしたセルの文字色は白などで映えるようにするのがポイントです。
コツその②~ヘッダー(タイトル)を入れよう~
タイトルを入れるだけで、その表が何を表しているかが一目で分かります。例えば表のすぐ上にタイトルを入れるという方法があります。
これにより、表が伝えたいことはクリアになりますが、もう少しデザイン性を高くするため、私は次のようなヘッダーを入れています。
あくまでも印象ですが、こちらの方が目に入ってきやすいですよね?もはや好みの問題かもしれませんが、少なくともヘッダー(タイトル)を挿入することで、一目でこの表が何を伝えたいかを相手に理解させることができます。
コツその③~特に伝えたい部分を強調しよう~
最後の仕上げに、この表で特に伝えたい部分を強調しましょう。この例では、「脱税」にフォーカスしたいので、四角枠で囲ってみます。
赤の四角枠で囲ったことにより、この表のメッセージがかなりクリアになりました。他にも太字にしたり、アンダーラインを引くなどの方法もありますね。
なお、この場合の四角枠の色は、「赤」や「黄色」など、すでに使用している「青」に対して目立ちやすい色がベターです・
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以上、3つのポイントを意識することで、最初は何を伝えたいのか分からなかった表が、「脱税」「租税回避」「節税」の区分における「合法?違法?」「言葉のイメージ」について説明していて、さらに脱税について説明しているもの、ということが明確になりました。
これを文章にすると長くなりますが、表にすると一目で分かりますね。
まとめ
今回は、きれいな表の作成方法について、私の経験をもとに3つのコツを紹介しました。表の作成方法は教わるものではなく、実務で学んでいくしかない場面が多いですが、ある程度自分の中でルールを整理しておけば、資料作成の無駄な時間を浪費することは少なくなると思います。
もし今回紹介したコツが参考になったという方は、今後の資料作成で是非試してみて頂ければと思います。