税務に役立つExcel仕事術② – ゴールシーク編




今回のブログはExecel仕事術の第二回です。Excelの機能の中から「ゴールシーク」について解説します。

Excelシリーズの第一回は「vlookup関数」を取り扱っていますので、こちらの記事をご覧下さい。

税務に役立つExcel仕事術① – VLOOKUP関数編

2017年9月14日

ゴールシークとは

ゴールシークとはエクセルの”What-if分析”と呼ばれる機能の一つです。Microsoftのウェブサイトではつぎのように説明をしています。

数式から取得する結果がわかっていて、その結果を取得するために必要な数式の入力値がわからない場合は、ゴール シーク機能を使用します。 たとえば、お金を借りる必要があり、 必要な額、ローンを完済するまでの期間、および毎月の返済可能額がわかっているとします。 ゴール シークを使用して、ローンの支払目標を達成するのに必要な金利を判断できます。

引用:ゴールシークを使用して入力値を調整し、必要な結果を求める

つまり、数式を利用して必要な数値を逆算できる機能です。英語では”Goal Seek”なので、直訳すれば「答えを探す」という意味となります。

簡単な数式で説明すると、3×4=12という数式があったとして、3×⬜︎=12という部分まで判明している場合、ゴールシーク機能を使うことで⬜︎の数字を求めることができます。

どのような場面で活用できるのか?

では、税務の実務でどのように使えばいいのでしょうか?前回と同じ具体例でみてみましょう。

今回の目的は、「所得税額が500,000円となる場合の所得金額を算出する」です。

ゴールシーク機能は「データ」→「Wha-if分析」→「ゴールシーク」から使用することができます。

「ゴールシーク」を選択すると、つぎのようなウィンドウが表示されます。

それぞれ「数式入力セル」「目標値」「変化させるセル」の入力箇所が確認できます。

今回は「所得税額が500,000円となる場合の所得金額を算出する」のが目的ですので、まず「数式入力セル」に所得税額の数式が入力されているセルを選択します。次に「目標値」に所得税額である500,000円を入力します。最後に「変化させるセル」に求めたい所得金額が記載されるべきセルを選択します。

全ての設定が完了したら「OK」を押します。

すると、所得税額が500,000円、所得金額が4,637,500円に変わりました。つまり、所得金額が4,637,500円のときに所得税額が500,000円となることがわかります。ちなみにこの場合の税率は20%です。

同じように所得税額が20,000,000円となる場合はどうでしょうか?

同じ手順で計算すると所得金額が55,102,222円のときに所得税額が20,000,000円となるようです。税率も45%に変わっていますので、正しく計算されていると考えられます。

まとめ

今回は簡単にゴールシークの機能について紹介しました。

この例のように、「所得税額から所得金額を求める」という場面は実務的にはほとんどないと思いますが、例えば、vlookup関数と組み合わせてゴールシークが必要となる場面はいくつか考えられます。

私の経験では、「法人税と経営者の個人所得税の合計額が最小値となる役員報酬の決定」「所得税、住民税及び社会保険料の世帯合計負担額が最小となる配偶者の適正給与の決定」などの場面でvlookup関数とゴールシークを組み合わせて使用したことがあります。

今回は機能の紹介が目的ですので、非常に簡単な例に落とし込んで説明しましたが、いろいろな関数や機能を組み合わせると、税務の実務でも有用なエクセルフォーマットが作成できますので、まずは自身でテーブルを作って是非実践してみてください。

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税金に関する時事ネタや個人の資産形成などを中心に、英語やExcelを利用した仕事術、たまに仮想通貨について記事を更新しています。