消費税の増税対策が次々と明らかになっています。その中で、低所得者層及び子育て世代にプレミアム商品券が発行される施策については、既報のとおりです。
今回のブログでは、その制度概要について解説します。
プレミアム商品券とは
プレミアム商品券とは、自治体が発行する商品券で、2万円で最大2万5千円分の買い物を可能にすることが想定されています。
つまり差額の5千円が”プレミアム”ということですね。これにより実質的に5千円が還元されることとなります。
プレミアム商品券は、原則として自治体が発行するため、その自治体内の店で使用することができます。つまり、商品券の使用による購買の促進を図ることで、地域活性化の意図が含まれていることが見て取れます。
対象者は?
プレミアム商品券を購入する権利は、次のいずれかに限定されています。
- 0歳~2歳児のいる子育て世帯
- 住民税非課税世帯
- 低年金受給者世帯
いずれも消費税増税による家計負担を受けやすい世帯が想定され、消費税の逆進性を和らげる狙いもありそうです。
想定される効果
プレミアム商品券の発行により、最大5千円分の実質的キャッシュバックを受けられることから、対象世帯は積極的に利用するべきと考えられます。
ただし、その商品券が使用できるのは、その自治体内に限るとされていますので、その自治体内で買い物をする機会がない世帯は留意が必要です。
プレミアム商品券は、かつての地域振興券等と異なり、商品券を「購入」する仕組みであるため、商品券を使用しないことにはメリットがありません。
また、商品券の使用期限は、消費税増税後の2019年10月から2020年6月までに限定されている点にも注意する必要がありますね。
なお、商品券の額以下の商品を購入してもおつりは出ないと考えられるため、使いどころにも工夫が必要です。大きい買い物の時に使用されることが想定されます。
まとめ
プレミアム商品券は、確かに一定の経済効果があることが予想されるものの、対象世帯が限定されることやわざわざ商品券を購入する手間があること、その実質還元額も5千円にとどまることから、消費税増税対策としてはインパクトが低いことが予想されます。
一部では「バラマキ政策」と揶揄される存在感の薄い施策ですが、実用の段階では、消費者及び事業者にとってもメリットがあるよう設計されることが期待されます。
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