世界中で新型コロナウイルスが猛威を振るっていますが、税金界隈でも衝撃的なニュースが発表されました。
記事によれば新型コロナウイルスの拡大を受けて、2020年3月16日の確定申告期限を1ヵ月延長し、2020年4月16日を延長後の期限とするようです。
今回の記事では、確定申告期限の延長に伴い、気を付けるべきポイントなどについてまとめます。
国税庁の公表内容
2020年2月27日に、国税庁より以下のプレスリリースがありました。
申告所得税、贈与税及び個人事業者の消費税の申告・納付期限の延長について
これによれば、所得税等の確定申告期限を令和2年(2020年)4月16日まで延長されます。
今般、政府の方針を踏まえ、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、申告所得税(及び復興特別所得税)、贈与税及び個人事業者の消費税(及び地方消費税)の申告期限・納付期限について、令和2年4月 16 日(木)まで延長することといたしました。
東日本大震災の後に、被災者などを対象に期間を延長したという前例はありますが、全国一律の確定申告期限延長は初めてです。
例年、この時期は税務署に確定申告相談で多数の納税者が訪れるため、コロナウイルス感染のリスクが高まります。政府方針を踏まえて、確定申告期間の延長により税務署の混雑緩和の意図があるようです。
納付期限も延長
一般的に、「確定申告」という言葉には、「申告書の提出」と「所得税の納付」の意味が含まれます。「申告期限の延長」という言葉だけ切り取ると、通常は「申告書提出期限の延長」を指すのですが、今回の措置では「所得税納付期限の延長」も認められました。
申告書を作成しないと納付もできないので、当然といえば当然なのですが、納付期限も延長された点には留意が必要です。
各種届出書の届出期限
所得税の青色申告承認申請書など、提出期限が3月15日に設定されているものには留意が必要です。2020年2月27日時点では、国税庁からのプレスリリースはありませんが、これらの届出は非常に重要なので、確定申告期限の延長に合わせて届出期限も延長されるか否かについては、追加の情報を注視する必要があります。
会計事務所の対応
例年、2月から3月は会計事務所の繁忙期です。特に2月末は個人の確定申告に加え、12月決算法人の法人税・消費税申告期限が重なるので、最繁忙期といえます。
また、3月15日の確定申告期限を終えると、3月決算法人の法人税・消費税申告期限が始まり、一般的には5月~6月頃まで繁忙期が続きます。
今回の確定申告期限延長は、一見すると会計事務所サイドにとっては朗報のように思えますが、期限が延長されただけで申告件数は変わらないので、逆に3月決算法人の申告作業とバッティングするなど、例年のスケジュールと異なる点で混乱が生じるかもしれません。各会計事務所で対策は講じるでしょうが、実務家は今後のスケジューリングに要注意だと思います。
まとめ
新型コロナウイルスの拡大により、各方面に影響が出ていますが、税務業界も例外ではありません。今回の措置により、納税者は確定申告の準備に余裕が生まれますし、無理に焦って税務署や確定申告会場に出向くことはないでしょう。
また、これを機に、電子申告や最近国税庁が力を入れているスマホ確定申告などを検討してみてもいいかもしれないですね。